ストックホルム到着
2025年06月02日、ストックホルム旅行の日がやってきた。
今回はぶらっと1人旅なので、航空券はEurowingsの手荷物のみのものにした。普段使いのバックパックのみで3泊分の着替えやらを詰め込むのは至難の業で、圧縮袋やら何やらを駆使してようやくジッパーを閉じることができた。
セキュリティコントロールを抜けて機内に乗り込み、2時間弱たった頃にはストックホルムのアーランダ(Arlanda)空港に到着。ここから市内に向かう。
色々な人が紹介してくれているが、アーランダ空港から市内に公共交通機関で行くのにはいくつかの選択肢がある。
- アーランダエクスプレス: 片道340クローナ、往復640クローナ、中央駅まで18分
- バス:
- Vy Flygbussarna: 片道129クローナ、往復209クローナ、中央駅まで45分
- Flix Bus: 片道99クローナ、往復割引無し、中央駅まで45分
- ローカル線:
- 直接向かう: SLパス + 追加料金147クローナ、中央駅まで40分
- 一度Märsta駅に行ってから乗り換えで市内に向かう: SLパスのみで行ける、中央駅まで60分(待ち時間除く)
SLパスというのは旅行者向けの数日間乗り放題チケットで、ストックホルムに訪れる人のほとんどが購入するのではないかと思う。
どのルートで行くか考えた結果、ローカル線乗り継ぎを選んだ。何故ならケチだから。
これが本当に失敗だった。
まずもってローカル線の乗り場が分かりづらかった。数十分歩き回った挙句ようやく辿り着き、10分ほど待ってようやく乗ることができた。Märsta駅での乗り継ぎは楽だったものの、そこから更に40分ほど電車に揺られなければならない。だいぶ後悔した。
元々Märsta駅を経由するルートはどこのサイトを見ても薦められてはいない。あくまで選択肢の1つであり、この2つのどちらか、あるいは両方に当てはまる場合のみ有効である。
- 何が何でも節約したい。多少不便で余分に時間がかかっても構わない
- 旅慣れていて異国の交通機関も即座に乗りこなすことができる
海外に数年住んでいる身として、電車やバスぐらい問題なく乗れると思っていたが、大きな間違いだった。ストレス耐性が低く、ちょっとしたハプニングにも敏感になってしまう人間は大人しくお金を払って安全なルートを選んだ方がいい。
個人的にはFlixBusがおすすめ。特に片道だけ使う場合は。往復だったらFlygbussarnaと値段は変わらないので、どちらでもいいと思う。往路の反省を生かして帰りはFlixBusにした。ドイツのバス会社で以前も何回か使ったことがあったので、アプリで簡単にチケットを買えた。
そんなこんなで予定より大幅に遅れて宿に着き、チェックインを済ませた後、街に繰り出した。
ストックホルム美しい… 普段住んでいる街はそこら中にゴミが落ちているのが当たり前の世界なので、道が綺麗なだけでも感動。清潔感があるって素敵。
ノーベル賞博物館
この日の目的であるノーベル賞博物館に来た。ストックホルムの旧市街ガムラ・スタンに位置し、アルフレッド・ノーベルの生涯やノーベル賞設立に至った経緯、これまでの受賞者の業績や発見について学ぶことができる。
館内は小ぢんまりとしつつも展示数自体は多く、オーディオガイドを聴きながら一つ一つ見て回ると2時間ほどはかかると思う。
下村脩、ノーベル化学賞、 2008年

下村脩はアメリカの沿岸地域において何十万ものクラゲを採取し、なぜそれらが緑色の光を発するのかを解明した。長年にわたる研究の結果、その発光現象は緑色蛍光タンパク質(GFP)によるものであることを発見した。このタンパク質は、生きた細胞や組織の中で特定の遺伝子やタンパク質の動態を可視化することを可能にし、がん細胞の増殖、神経細胞の接続、胚の発生過程など、数多くの重要な生物学的現象の理解に大きく寄与している。
日本人受賞者ということで、記憶に新しい人も多いと思う。クラゲが緑色に光ることを疑問に思うこと自体は特に不思議ではないが、数十万匹のクラゲを研究したという数字に改めて驚かされた。数十万て。
ロジャー・スペリー (Roger Sperry)、ノーベル生理学・医学賞、1981年
ロジャー・スペリーは分離脳の研究者である。分離脳とは左右の大脳半球をつなぐ神経の束である脳梁が切断されている状態で、20世紀中頃は重度のてんかん患者の発作を抑える目的でこの手術が行われた。
実験の一つとして分離脳の猿の両目の間に仕切りを入れて、右目は右側しか、左目は左側しか見られない状態にした上での脳の働きを研究したのが有名。
左脳は言語・論理・分析などを担当し、右脳は空間認識・直感・視覚的イメージ処理などを担当するというのは何となく知っている人も多いと思うが、実はこれを発見したのがロジャー・スペリーだ。これ知ってる人は中々いなんじゃないかな。
人類の発展に大きく貢献した人たちを紹介するノーベル賞博物館、ストックホルムに行った際はぜひお立ち寄りください